ノーモア

今日は広島原爆投下の日。
8:15にはきちんと黙祷しましょう。去年は寝過ごしたから、その分も。

先日、長崎に原爆を落としたB29「ボックスカー」の機長が84で大往生したっけね。
訃報:C・スウィーニーさん84歳=長崎原爆投下機の機長(毎日新聞)
広島に原爆を落とした「エノラ・ゲイ」の機長はまだ存命中。
いずれも、勤めとはいえ、数十万の一般市民に地獄絵図を見せる片棒を担いだ人たち。「原爆投下は正しかった」「あれで多くの人の命を救った」「真珠湾のお返しだ」と公言してはばからない人たち。まあ、そう考えていられるからこそ、こうやって長生きできるんだろうけど。いい人は早死にするってね。
この話を聞いて、すごい神経の持ち主だなあと感心すらしたけど、それについて興味深い解釈をしているサイトがありましたのでご紹介。
鬼となった男(義経伝説)


こういう生き証人もアリ、か。


◆ ◆ ◆


詩にはあまり詳しくないのだけれど、たまたま見つけたこの文に、心臓を鷲掴みにされるような気がした。

《あ、
 この焼けただれた顔は
 一九四五年八月六日
 その時広島にいた人
 二五万の焼けただれのひとつ
 すでに此の世にないもの

 とはいえ
 友よ
 向き合った互いの顔を
 も一度見直そう
 戦火の跡もとどめぬ
 すこやかな今日の顔
 すがすがしい朝の顔を

 その顔の中に明日の表情をさがすとき
 私はりつぜんとするのだ

 地球が原爆を数百個所持して
 生と死のきわどい淵を歩くとき
 なぜそんなにも安らかに
 あなたは美しいのか

 しずかに耳を澄ませ
 何かが近づいてきはしないか
 見きわめなければならないものは目の前に
 えり分けなければならないものは
 手の中にある
 午前八時一五分は
 毎朝やって来る

 一九四五年八月六日の朝
 一瞬にして死んだ二五万人の人すべて
 いま在る
 あなたの如く 私の如く
 やすらかに 美しく 油断していた》


石垣りん、という詩人をこれで初めて知った。
忘れてはいけない現実を、鼻先に突きつけられた気分。


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