ねこまっしぐら。

自分の猫好きは母親譲り。
実家には常に猫がいた。
迷い込んできたり、実家で生まれたり、人が野良で拾ったのを任されたり。
しかし悲しいかな、まだ実家で天寿を全うした猫は1匹も居ない。
行方不明になったり、事故にあったり、猫エイズで亡くなったり。

特に事故。
実家は国道沿いなんで、これまでに何匹もやられた。危ないって判ってるのに、猫も文字通り魔が差すようで。人の目を盗んで道路の向こう側に渡ろうとするが、車が途切れることの方が珍しい道だけに、ほぼ間違いなく「ドン!」。

1匹は、はねられて虫の息だったのを近所の人が見つけて知らせてくれた。目立った外傷はなかったが、内臓破裂で手遅れだった。母上がその場に駆けつけると、どこにそんな力が残っていたのか嬉しそうに鳴いて、自力で起きあがろうとしたそうだ。

1匹は、はねられた時に道路中央の植え込みの中に飛ばされたか、はねた人がそこに置いたか、やっと見つけたときにはそこでミイラ化してたらしい。

1匹は、夜はねられた上に毛色が暗かったんで車側も気付かず、朝見つけたときには道路と一体化するくらいぺったんこになってたらしい。父上がシャベルで剥がした。

1匹は、抱き上げようとする母上の手をすり抜け、車が激しく往来する道路へ憑かれたように「歩いて」いって、目の前ではねられた。


行方不明になったのも、家出するような性格ではなかったし、どこかで事故にあったんだろうと思う。
あと、「普通に」はねられて死んだのも2匹だったか3匹だったか。


はねた車を恨んでも仕方がない。
道路へ出た猫を攻めても仕方がない。
国道沿いな実家を悔やんでも仕方がない。
出来るのは、死んでいった猫たちのことを、こうして忘れずに覚えてることだけ。


自分が一番気に入っていた、「スミ」もはねられて死んだ1匹だった。
全く混じりけのない漆黒の毛並、すらりと長い尻尾、金色の瞳。美しい猫だった。


UO用に作ったキャラ「NightWind(夜風)」は、この「スミ」が元だったり。


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