DON'T PANIC!~シーマン&ドリカス初心者日記~5日目

■金色のコイ。

電源を入れると、細川案内人が「シーマンも自分に名前を付けて欲しいかも知れません」とのこと。そっか、名前ねぇ。ペットという意識をほとんど感じさせない存在感に圧倒されて、あだ名は付けても名前は真剣に考えてなかったっス。

ではさっそく。タラコ(仮名)、おいで。
『・・・なんでござんしょ?』
「名前をつけてあげるよ」
『???』
「名前つけてあげるってば」
『カバ』
・・・なんでそこで「ば」にだけ反応すんだ、おまえはよー。発音そんなに悪いかね。どーせ。
「名前・・・」
『シーマンだよっ』(←苛立ってる)
「名前つける」
『・・・よし、今から俺に名前をつけさせてやろう』
お、伝わった!
名前は「コイ」にしよう。機嫌悪いときでも「来い!」って呼ばわってオッケー。
・・・名前を3回言えって? ふーん、そうやって音を憶えるわけだ。よくできてる、もとい、合理的だ。
あっ? ・・・体の色が金に変わった? 細川案内人いわく、名前を付けたかららしい。いやぁ、綺麗だねー。高そう。名実ともに鯉(コイ)だね。ゴージャスゴー。
んじゃ、高木(仮名)にもつけてあげよう。・・・って、つけたら、「コイ」の色が元に戻ってしまった。もちろん名前を呼んでも反応しない。1匹しか名前をつけてやれないってかい? ケチなシステムだな。
仕方なし、高木(仮名)に名前をつけるのは諦めて、タラコ(仮名)にコイと命名。だって高木改めブー(今後はコレ)の顔って、金色似合わないんだもん(←偏見)。


■いきなり食糧難。

唐突にそれは始まった。
『おーい、メシー! 腹減ったよメシー!』
『メシくれよーー、ってか』
2匹揃ってのメシくれ大合唱。気持ちは分かるが、そう何日も食べてないような騒ぎ方されると、飼い主としてはみじめダス。もちろん話しかけても耳も傾けない。ほんとにソレしか頭になくなっちゃうのね。全力投球な奴ら。
彼らの卵が入っていた保管器を覗くが、もう栄養食は1個しか残ってない。1匹はそれで良いとして、もう1匹には芋虫をやらなきゃダメか・・・。まだ増やせるかどうか判らないのに、非常に不安だ。
と、虫かごを覗いたら、芋虫の1匹がさなぎになっていた。よしよし、この調子で2匹を親になるまで育てるとして、現時点であと2匹は餌に使えるな。かなり綱渡り状態だけど、なんとかなるかも。
じゃ、まず栄養食。コイが食べた。次、ブーに芋虫を・・・って、コイがまた食っちゃった!! なんてこと!!
コイはもちろん静かになったが、ブーは黙らない。
『俺を飢え死にさせるつもりだな?』
ああああ、ひでーこと言うし。うう、使える芋虫はあと1匹なのに・・・判りましたよ、あげますってば。
また横取りされたらシャレにならんので、コイをくすぐって笑わせている隙にブーにも芋虫を与える。手間のかかる奴らだ。
でも次に腹減るまでに芋虫が増えてなかったら、知らんぞ。


■微妙な関係。

お腹が落ち着いて気も大きくなったか、コイが親しげに尋ねてきた。
『おまえさー、前に○○歳って言ってたけど。てことは、社会人か?』
職業を聞くので、とりあえず「プログラマー」と答える。
『プログラマーか。俺のユーザーには多いんだよね』
「ユーザー」とは飼い主のことだろうか。所詮はビジネスライクな関係ということか? 世知辛い世の中よの。
コイは複雑な笑みを浮かべる。
『若いうちは(体力勝負で)いいけど、そのうち開発管理の能力も問われてくんだよね』
う、そんなことまで。さすが、紀元前から代々生きてらっしゃるだけのことはある。見直した。さっきメシメシ騒いでた姿からは、まったく想像もつきませんでしたッ。

おっと。コイばかりと話しても悪いので、ブーに話しかける。何故かひっじょーに不機嫌。
『おまえ以外の飼い主が欲しい』
ムカ。「こっちだっておまえ以外のシーマンが欲しい」と小学生レベルで言い返しかけて、ふと思った。
・・・もしかしておまえ、嫉妬してる? まさか。でも名前つけてやれなかったのはホント悪かった。ごめん。
『・・・謝ることないだろ』
ブーは何でもなかったように、また泳ぎ始める。
・・・、明日はもっと話しかけてやろうかな。


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